職場の同僚が自殺したという組織へのサポート戦略の考え方 – その2

20121203115812

会社などで自殺が起きた時に、外部からサポートを行う初動戦略の考え方における要素を昨日のエントリでは書いた。

職場の同僚が自殺したという組織へのサポート戦略の考え方 – その1 | deathhacks

こうした要素は考えれば考えるほど出てくる。
それぞれの状況や組織についてよく知れば知るほど、「こうしたほうが良いな」とか「この人にも支援を提供しよう」とかいうようなアイデアは浮かぶ。
支援を受ける側も様々なイメージを持っているし、具体的な要望を出してくることもある。

しかし、時間やマンパワーは有限だ。
選択と集中をしなくては支援の焦点はズレて、結局外部の人間がワッと来てかき回してもっともらしいことやできそうにもない計画や注意を多量に置いていき、どうも支援を受ける前よりも疲れてしまったし気持ちも暗くなってしまった、というような笑えない事態になる。

元々の想定である、「組織内で起きた自殺後のサポート」に戻って考えてみよう。

「自殺やその心理についての教育」が効果的かもしれないし、「衝撃的な出来事の後の身近な人が感じるストレスや惨事反応」についての説明を求められるかもしれない。
今後管理者や人事担当者が注意すべき従業員をスクリーニングして欲しい、という要望を相手が出してくるかもしれない。

これらをすべて行うことは不可能だし(少なくとも同時期に一度には)、上に書いたようにメリットだけでなくデメリットをいたずらに増やす可能性がある。

ポイントは出来事(自殺)からの時期や、その出来事が組織や仲間内でどのような意味を持ったかをヒアリングや情報収集から読み取り、優先度の低い支援目標は大胆に切り捨て、大目標をチームで共有しながら「それ」だけは達成するべく資源を集中することだ。
「あれもこれも」という支援活動が一番良くない。

2012-12-04 08:00

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