カウンセリングでは無理しなければ「一致」する

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カール・ロジャーズが唱えたカウンセリングに必須とされる三条件のうち、「一致」について。

カウンセラーの中に無理や不安、逆転移や葛藤、疲労や体調不良などがあると、そのカウンセリングがうまくいかない可能性が高くなるという、それだけのことかもしれない。
無理しているとうまくいかない。

当たり前のことかもしれないがカウンセラーが自力でセルフチェックを常にするのは簡単ではない。
カウンセリングをするに当たって報酬のあるなしに関わらず、仕事としてやるからには契約や約束が生じる。
契約・約束があるということは、カウンセリングの時間や場所、内容について勝手には決められず、クライアント等と一緒になってコントロール・マネジする必要がある。

また、「カウンセラーに無理があるとカウンセリングがうまくいかないという」のは、「無理をしなければうまくいく」というのと同じではない。
結局「一致」は必要条件ではあるが、十分条件ではない。
そういう意味では、この条件は「うまくいく条件」ではなく「うまくいかない理由」のひとつだろう。

ボクシング漫画「はじめの一歩」で、世界戦に挑む登場人物に対してそのトレーナーが次のような言葉をかけている。

「努力した者が全て報われるとは限らん しかし! 成功した者は皆すべからく努力しておる!!」
– 鴨川源二

「一致」という状態は、直感的には理想的で万能なもののように感じられるが故、それを達成すること自体が目的となったり、議論の種になってしまいがちだ。
しかし、カウンセリングが成功するためのあくまで一条件であると理解しておくのが良い。

2012-09-14 07:00

(関連URL)

はじめの一歩 – Wikipedia

鴨川源二 – Wikipedia

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