カウンセリングの考え方、理論の中に「直面化 confrontation」というものがある。
クライアントが対決を避けている事柄をあえて正面から扱って変容を期待することを指す。
しかし、臨床現場で、やみくもに、理論先行、理論だけを根拠に、直面化をするのには注意が必要ではないか。
直面化を、良いこと、いつか必ずしなくてはいけないこと、他に打つ手ややることがなくなったからするもの、という風に臨床家、セラピスト、カウンセラーは思い込んでいないだろうか。
世の中すべての悩みや問題を、すべて完璧に、一刻も早く解決しなくてはいけないというわけではない。
逃げて、避けて、かわして、ごまかして、なんとか生きていくという人生ややり方を、本人以外の誰が否定できるだろう。
カウンセラーや臨床家は、専門家として支援者として、可能な限りはメリットとデメリットを見積もり、クライアントの意思を尊重・確認しながら、セッションにうまく進展がみられないからと「安易に」直面化をしてみるようなことをしてはいけない。
2012-04-21 10:00
(From iPhone 4S)
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