トラブル解決ではなく、プラス成長を求める社会

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今私が知っていたり、経験したメンタルヘルスの現場や技術は、主に心理やその周辺の悩みや問題によって起きているトラブルへの対処をサポートするものだ。
言ってみれば、生活の質に平均的なレベルがあるとして、それがマイナスになってしまっているものをゼロ(平均もしくは標準)に近づけたり戻したりすることが目標になる。

しかし、社会や人間の要求や好みは移ろいやすい。
述べたようなマイナスをゼロに持っていく、(大部分の)医療が目指すような仕事だけではなく、今の世の中では、標準的な生活や生きがいをクリアした上で、さらに個人としても集団としても上を目指す、プラスをどれだけ増やすか、そのためにはどうしたら良いかという課題の解決が求められている。

最初に書いたように、すぐにこれといった解答を論理的にすることができない。
ただ、一つには、「マイナスをゼロへ」モデルの延長ではあるが、メンタルヘルス周囲に関してのトラブルやインシデントに対しての自己評価と自己解決能力を各個人が身につけるというやり方は考えついている。

これは確かに「マイナスをゼロへ」というツールに近いのだが、こうした安全策や危機管理態勢が個人レベルで充実することによって、人は仕事や生活を安心して、より高いレベルでこなすことができるだろう。
同じ吊り橋を渡るにしても、手すりがあるかないか、それが十分な高さがあってしっかりしているか、揺れが大きいか小さいかで、危険性や歩く速さはまったく違ってくるはずだ。

今の社会は、情報が増え、楽しみや交流も多様になってきているが、それだけ不確定なことや問題も増えていたり新しく目のあたりになってきていたりする。
その危険性やそれに対する怖さはいきなりゼロにすることは難しいが、命綱のような受け皿があればそれだけ安心して失敗を恐れずに挑戦できる。

このテーマについてはちょうど私のメンターの一人が関わっている仕事に、考えを進めるヒントがあるのではないかと思っているので次の機会に議論してみようかと考えている。

2012-01-26 09:00

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