裏メッセージについて考えたその続き

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昨日のエントリのテーマだった「裏メッセージ」を勉強会でも取り上げた。
(というか、勉強会のテーマに合わせてエントリを書いた)

昨日のエントリは以下のもの。

裏メッセージとは何か、それをどう避けるか | deathhacks

勉強会の中やその後考えたことなどを補足してメモしておく。

  • 「裏メッセージ」について説明する前に、「メッセージ」について十分に説明しておく必要がある。メッセージコントロールでは、一般的に使う「メッセージ」という言葉を独自に拡張しているからだ。ここでの「メッセージ」は言葉やフレーズの内容だけを指してはいない。声音や表情、身体の姿勢や態度、タイミング、順番、時期などカウンセラーが出す情報、そしてクライアントが受け取る情報のあらゆるものが「メッセージ」になりうるという考え方をしている。このため我々はトレーニングの手段として、逐語録分析よりもロールプレイと直後のふりかえり・フィードバックのようなものが有効だと思っている。
  • 昨日のエントリ内では、裏メッセージというものは悲しみや怒りなど、いわゆるネガティブな感情を引き起こすものということだけに限定していた。しかし、考えを広げれば、ポジティブな感情も裏メッセージに加えて良さそうだ。例えば、ハッキリと拒否の返事をしないであいまいな返事をしていたら相手が勝手に都合の良いように解釈して断っている意図が伝わらないような場合だ。
  • クライアントがカウンセラーから裏メッセージを受け取るのと同じように、カウンセラーがクライアントから裏メッセージを受け取ることもありうる。例えば、クライアントの言動に対して、不快な感情を持ってしまったり、状況が改善もしくは進展しないことに対してクライアントとはまた別にカウンセラーが不安や焦りを感じてしまったりといったものだ。これは陰性感情や感情転移と言っているものなのであらためてここで取り上げるものではないかもしれないが。いずれにしてもこのような感情や裏メッセージを予防するには、うつなどで起こっている感情や思考のしくみ・パターンを具体的に学んでおく、スーパービジョンを活用するなどの方法がある。
  • 言葉というものはそれだけを見ると常にあいまいなものである。感情や思考を記録したり共有したりするための抽象化のツールであるから実際のそれらとの間に必ずギャップがあるのが当然だからだ。あいまいさの中でもクライアントは最も悪いとらえ方をすると思っておくこと。それがうつ的思考の一つの性質であるからだ。もっとも、好ましくないコミュニケーション誤解だとカウンセラーが思うからこそ裏メッセージというものを特別に取り上げて考察したり勉強会で意見を交わしたりしているわけだが。

2012-01-25 10:00

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