自分なりの痛みスケールを持っておくといい理由

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ハーフマラソンを走って脚にダメージがある。
いわゆる怪我や故障もせず完走できた。
ハーフマラソンは今までに走った距離としては一番長い距離だし、なんのかんのと言い訳をしてうまくトレーニングを積んでおくことができなかったので、まずは無事に終えたことが幸いだ。
しかし、最初に書いたように疲労、という以上に筋肉を中心とした損傷がある。
これはいたし方ない。

過去に大きな怪我をしたことはないのだけれど、軽い肉離れのような状態や久しぶりの運動の後の筋肉痛、あるいは打撲といったトラブルはたまにあった。
そんなときに、自分の身体が感じているダメージをなるべく定量的に記録しておきたいと思っている。

健康であることは幸せなことだが、普段それを実感することは少ない。
体に異常がないことを感じ、健康であることに感謝するのは、体調を崩してからはじめてそうするということが多い。
人それぞれだが、数ヶ月とか数年に一度という体調トラブルだと、前回の程度や印象、経過などを覚えていることができない。
対応や対処を再現したり、改善したり、次の経過を予測するなどして、経験を活かすことができずもったいない。

まだまだ数回使っての経験蓄積しかないのだが、痛みの程度については自分なりの「痛みスケール」、つまり痛みの基準を使っていこうと思ってきた。
今のところは以下のようなものだ。
数字としては0から5まで。段階としては7つ。

OGA式痛みスケール

  1. 【0】 平常。痛み、苦しさなし
  2. 【0+】 違和感のみ
  3. 【1】 動かすと痛い。じっとしていれば痛みなし
  4. 【2】 動かさなくても痛みを感じる。
  5. 【3】 痛い箇所をいつものようには動かせない。機能障害弱。(例)脚を引きずる
  6. 【4】 痛い箇所を動かせない。機能障害強
  7. 【5】 医療(診察、治療、薬など)が必要なレベル

ちょっと細かすぎるかもしれないが。

このスケールと痛む箇所を記録しておく。
これによって痛みの定量的な記録ができるようになる。
短期的な変化を見ることもできるし、以前の体調不良と比べたり、今後の経過を予測したりする材料にもなる。
今回は運動後の主に筋肉や関節の痛みについて使っているが、多少アレンジしてお腹が痛いときや、歯が痛いといったときにも使える。

この考え方とツールは身体的なことだけではなく、気持ちの面の定量化と記録にも応用できる。
むしろ、そちらの方がずっと以前から試されているだろう。
身体的な痛みの定量化、客観化、記録、他者との共有は、がんなどに関連する痛みの医療や看護分野では以前から行われているが、一般の人間が身近に用いることはほとんどない。
しかし、精神的な状態などについては、ストレスに関するものであったり、本人そのものが主体になる必要がある認知行動療法などにおいて、すでに同じような定量化は広く使われている。

スケールを作って、身体的なものに使うにせよ、精神的なものについてにせよ、言えることは3つある。

  1. 個人で使うなら使いやすくアレンジし、共有目的なら統一する。目的に応じてバランスをとる。レベルの区分数など
  2. スケールの粒度も目的に応じて決める。対象にする範囲を全身・全体にするか、部位やテーマを絞るかなど
  3. 1回1回の痛みや苦しさなどを数値化するだけではなく、記録し、見返し、比較してはじめて、データの客観化ができる

こうした痛みスケールのようなツールを用意すること、使うことで、人間は根本的には予想できない未来への不安や危機に立ち向かえる可能性を得る。

2011-11-27 08:00

(関連エントリ)

SOCと無力感 | deathhacks

世の中はデジタルでできている | deathhacks

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