まず驚き、なるほどと思うことが共感につながる

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カウンセリングではクライアントに「共感」すると良い、とはよく言われる。
しかし、それを具体的に実行するのには「共感」について掘り下げてみる必要がある。
共感とはどういった状態・事象なのか?
どうしたら共感はクライアントに伝わるのか?

一般に、感情と言えば「喜怒哀楽」のことだと思うだろう。
素直に「共感してみましょう」と教わったらば、「なるほど、クライアントと一緒に、悲しいことを悲しみ、困ったことに悩み、うれしいことには喜べばいいのか」と考えるかもしれない。
これは半分当たっているが、半分ハズレだ。

まず注目するべき大事な感情は「驚き」と「なるほど」だ。
もちろんカウンセリングでも、喜怒哀楽に焦点を合わせる段階はあるが、ただそれを闇雲に強引に実行してもクライアントに適切なメッセージは伝わらない。

まず基本として、クライアントの話や感情を、新鮮なものとして「驚き」をもって聞くこと。
そして、そこに何らかの納得できる筋道をみつけて「なるほど」と理解して、それをクライアントに向けてわかりやすく表現すること。
この二つがカウンセリングで重要な共感、つまりクライアント感情への理解と受容ということになる。

カウンセリングでは、ここで言う「共感」を上手にしていったならば、情報や認識としてクライアントと共通の場所に立つことにつながる。
その上で、最後の仕上げに「喜怒哀楽」を、クライアント自身の感覚を確認し、比べながら、カウンセラーも表現すれば良い。

旧来、カウンセリングの理論教育で言う「共感しましょう」は、このゴールの部分、あるセッションなどの終盤で達成されると良い目標を示しているだけで、途中経過や段階について細かには説明されていない。
いきなり喜怒哀楽、ではなく「驚き」と「なるほど」から始めよう。

2011-09-22 10:00

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