変わらないこと、変えないことの難しさ

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努力し続け、うまくいかず、疲れきったクライアントの周囲の人に、これから先の接し方を説明するときにはこれといった定型的なものはない。
環境調整をお願いするときもあれば、「変わらない」「変えない」ことをお願いすることもある。

当人が頑張ってきていて、周りの人もそれを支えたり応援してきたりという状況ならば、基本としては「変えない」というアドバイスをすることが多い。
今出ている結果がどうであっても、クライアント当人のエネルギーが枯れ果てているならば、色々な変化やさらなる努力を勧めるのは得策ではなく逆効果だからだ。
これは、うつか、うつでないか、というように医療がどう判断するか、介入するかということとはまた別個の話になる。

今見えている状況が「悪い」ならば、周りはクライアントに「こうしたらいいよ」「私ならこうするんだけどなー」と変化を強いがちになる。
これはクライアントにさらなる努力やエネルギーを使用を強いるわけで、うまくいく確率は低くなる。
ピンチのときにこそ、弱ったクライアントの判断や決心を外部からとやかく言わないことが必要になる。
カウンセリングは「とやかく言わない」が、同じ立ち位置やちょっと先の未来、少し後から付いて行くなど、色々な視点で「ガイド」や「コーチ」をしてあげるようなイメージになる。

ガイドやコーチには、相当に時間やエネルギーを使う。
もちろんそれを周囲の人で適当に分け合って、分担するのも良い。
そのメインの役割を担うのがカウンセラーである必要はない。
しかし、完全に人生に行き詰まってしまったと感じているレベルのクライアントに接するのであれば、低いコストで「頑張れ」というだけではいけないし、安易に「ここを変えたら?」と言うことは避けてもらうべきだろう。

2011-07-08 06:00

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