自殺・事故後ポストベンション活動の紹介 その3

ポストベンションは調査ではない

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ポストベンションでは依頼のあった集団や個人から情報を収集する必要があります。
部外の人間・チームが押し付けでないケアをするためには出来事の詳細やその人たちが感じた衝撃、状態を知らなくてはいけません。
しかし、目的はあくまで「調査」ではなく「ケア」です。それを忘れてはいけません。
出来事について事件性があればその部分は警察などが調べることになりますし、そうでなかったとしても会社などの組織であれば事例性については組織や管理者が責任を持って処理しなければいけないでしょう。
それとポストベンション活動やケアチームは立場も目的も違うということをチーム自身も管理者も十分理解し、分担や協力をすることです。

また我々のポストベンション活動については出来事を契機としたうつやPTSDなどを予防することをハッキリとした目標にはしていません。もちろんそのような効果があれば良いのですが、その件に関する研究・検討はまだありません。
他に同様なグループや活動についても学術的な効果分析をして、しかも意義を認めている研究は少ないようです。
それよりは、ただ「観察している」と称して組織が無策になり、ショックや強い影響を受けているにもかかわらず埋もれてしまうような個人や集団としての状況把握をすることを重視しています。

一般的な心理カウンセリングとポストベンションカウンセリングの違い

我々の経験や方針の範囲での、心理カウンセリングとポストベンション(惨事後)カウンセリングの違う点を説明します。

かける時間が様々である

面談をする対象の絞り込み方にもよりますが、衝撃を本心として感じていなかったり、ショックは受けていても面談の時点では助けを必要としていない人もいます。そのような人には比較的に時間を割きません。その場合、出来事についての情報収集や組織の対応についての感じ方のインタビュー、もしも時間が経ってから影響が出てきたときの対処法などの情報提供が主になることが多くなります。
一方で、強いショックを受けた人、元々調子が悪かった人、出来事とは別にトラブルを抱えている人などとの面談には時間とエネルギーを使います。

原則としては継続カウンセリングはしない

一般の心理カウンセリングであれば、どうしても時間が足りないときには次回の約束をクライアントの希望を聞いて検討するか、再来のしかたを説明しますが、ポストベンションカウンセリングでは原則として単回で決着をつけます。これは我々のポストベンションが、組織外から専門的サポートとして活動するチームであるためです。個別に継続したサポートをする調整をすることを禁じているわけではなく、例外として考えているだけと理解してください。

全般の方針決定や責任は依頼組織にゆだねる

前項の通り、通常3日間を基準にサポート活動、ポストベンションケアをする我々はその場を離れた後に関わりを持ち続けることはやや難しくなりますので、可能な限りの我々が知り得た結果や知っている情報・知識を主として組織の責任者・管理者に(限定的には個人に)フィードバックして活動を終えて区切ります。

2010-05-27 9a.m.

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